2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

徐晃伝 三十一『背水の陣』

「ソイヤッ!ソイヤッ!!」 騎馬の疾走。 徐晃率いる一隊は、北方の黄河を渡るべく戦場を駆け抜ける。 風の如く馳せる軍団の中で、副将・朱霊は徐晃に問うた。 「徐晃殿。 我ら四千騎、精兵といえども渡河中は無防備。 襲撃を受けたらひとたまりもないので…

徐晃伝 三十『敵の虚を突く』

北の曹操、東の孫権、西の劉備。 天下は、いよいよ三国鼎立の情勢を迎えようとしていた。 さしあたって南方への進退が膠着した曹操軍は、天下平定のため次なる目標を西方の漢中に定める。 漢中は中原の要衝。 徐晃をはじめ、曹操軍の諸将兵は漢中侵攻の戦支…

デュプリカント

アメリカ航空宇宙局(NASA)が深宇宙に向けて発したマイクロウェーブ波に、返信が来た。 高度な知能を持った異星生命体だ。 人類が送ったメッセージを受信して内容を理解し、我々が解読できる言語でわざわざ返信を送ってきて友好の意を示したのだ。 人類史上に…

徐晃伝 二十九『名将・夏侯淵』

「おっ、来たな徐晃~~! 今回は一つ、どうか俺に力を貸してくれや」 明るく陽気な振る舞いで徐晃の肩を叩く偉丈夫は、夏侯淵。 曹操の旗上げから従う最古参の宿将として歴戦を闘い抜き、将帥としての器量が成熟しつつあった。 「夏侯淵殿、麾下の副将をお…