デュプリカント

 


アメリカ航空宇宙局(NASA)が深宇宙に向けて発したマイクロウェーブ波に、返信が来た。

 

高度な知能を持った異星生命体だ。

人類が送ったメッセージを受信して内容を理解し、我々が解読できる言語でわざわざ返信を送ってきて友好の意を示したのだ。

 

人類史上に刻む最大の事件となった。

 

 

無論、警鐘を鳴らす者もあった。

一方で異星生命体はとても紳士的で、交信メッセージの内容は地球人類への最大限の配慮が成された非常にオープンな情報開示と、時にユーモアすら交えた、友好的な会話となった。

 

人類は今だ外宇宙へ進出する航行技術を得ていないが、遠くアルファ・ケンタウリ星系に母星を座すというこの異星人は高度に発達した科学文明を有し、遥々我らが地球へ訪れる準備があると伝えてきた。

 

幾度もの国際会議が開かれて多種多様な意見が入り乱れ、結局何の結論も導き出される事はなかったが、米国の主導で異星人とのメッセージ交信は慎重に続けられる。

 


そして来たる2039年8月、異星人の使節団を乗せた非武装の宇宙船数隻が、メッセージでの約束通りに地球圏へ飛来した。

 

 

幾何学紋様の曲線美を象る壮麗な宇宙船は、フロリダ州ケープ・カナベラルの大地に着陸し、地球人類の代表者たちがこれを直接迎え入れる。

 


宇宙船のハッチが降りて、ついに異星人がその足を地球に着けた。

この様子は全世界に生中継で配信された。

 

 

ゴテゴテとした宇宙服に身を包んだ数体の異星人は何やら最終確認をした上で、プシュ!と音を立ててヘルメットを脱ぐ。

 

直立二足歩行で両腕もついて、そして露になった頭部すら、地球人類のそれに酷似した形態であった。

 

というよりむしろ、地球人類そのものである。

 

降り立った側の異星人も、迎えてくれた地球人が自分たちと全く同じ外見であるのを
見て驚いている。


そのうち一人の異星人は初老の白髪の男性で、これを迎える地球代表者の一人と見た目が全く同じで、瓜二つの外見であった。

 

二人は、視線の先の異星人が自分の姿そのものである事に驚く。

 


その時ー


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終わり