VERITASBRÄU(ヴェリタスブロイ)とビール純粋令
今まで全く飲む機会はありませんでした。
自分とは無関係の事と思っておりました。
飲みたければ普通に、ビール飲むからね。
しかし私事ですがこのたび病院で常飲薬を処方され、毎晩寝る前に飲まなければならぬ薬が出来て、状況は一変しました。
酒と薬は一緒に飲まないで、とはよく言われる事ですが「ちょっとなら良いでしょ」のつもりがほぼ毎日の事となれば、看過できない影響が人体に及ぼされてきます。
(頭が痛くて眠気が永遠に続いたりしました。)
そこで初めて、ノンアルコールビールの可能性に着目したのです。
皆さんも続く戦乱の肝臓に休肝日を設けたい時ですとか、車を運転しなければならない時など、ノンアルコールビールという選択肢を考慮した経験がお有りかと存じます。
昨今、その種類は豊富です。
そこでまずは王道、サントリー社のオールフリー、アサヒ社のドライゼロなど有名どころを購入して試してみました。
気になるそのお味は・・・虚無。
無(む)
無の味がしました。
ささやかに香りの付いた苦い炭酸水といった趣きです。
必死にビールに似た何かを再現しようとした企業努力を感じますがしかし、決してビールではありませんでした。
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ドイツでは、"ビール純粋令 "という法律が施行されています。
この一文を内容とするもので、起源は1516年4月23日。
バイエルン公ヴィルヘルム4世が制定し、現在でも有効な食品に関連する法律としては世界最古とされています。
後に1871年、ドイツ帝国統一に際してバイエルン王国がその参入への前提条件として「ドイツ全土へのビール純粋令の適用」を求めたほど、ゲルマン民族の魂が込められた法律です。
その恩恵により今日もドイツのビールは、純粋な原材料を活かした高品質で美味しい世界有数の銘を誇っているというわけです。
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VERITASBRÄU(ヴェリタスブロイ)は、そんな純粋令下のドイツにおいて伝統製法で醸造された本格的純粋ビールであり、醸造後に脱アルコール処理を行う事でノンアルコールビール化を実現しています。
その風光明媚と味わい深さたるや、現代日本国の添加物ごちゃまぜ生成の結果として虚無の味に堕ちたノンアルコールビールとは格段に異なる美味しさ、ノンアルコールの概念を覆す、純然たるビールの芸術を堪能する事が出来るのです。
ドイツ国から輸入しているにもかかわらずアルコール0.0%のためお値段は1缶330mlで110円程度、絶大なコスト・パフォーマンスの高さを実現しています。
箱買いしました。
通常のスーパーやコンビニの店舗では置いていませんが、お酒屋さんや輸入食品店などでは結構売ってたりします。
ノンアルコール界のサラブレッド、ヴェリタスブロイに受け継がれた崇高なる魂は、かつて中世の低品質ビール世情を嘆きドイツ・ビール本来の誇りを取り戻すべく歴史的法改正に臨んだ、当時の賢人たちの叡智の結晶であると言えるでしょう。
終わり
【参考文献】
・『ドイツビール おいしさの原点 バイエルンに学ぶ地産地消』木村麻紀、学芸出版社、2006年
・『マイスターのドイツビール案内』高橋康典、幻冬舎ルネッサンス、2007年