システムアーキテクト合格体験記

 

このたび、受験しました。

以下に詳細を記します。

 

◎試験概要・出題形式

システムアーキテクト試験は、IPA情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のうちスキルレベル4に相当する、高度情報処理技術者試験の一つです。

システム開発における要件定義や仕様設計など、いわゆる上流工程に関わる知識・能力を扱う問題が出題されます。

合格率は12.6%(H30実績)。

出題形式は以下の通り。

・午前1 四肢択一式、全30問、試験時間50分。

・午前2 四肢択一式、全25問、試験時間40分。

・午後1 記述式、全4題中2題選択、試験時間90分。

・午後2 論述式(~約3,000字)、全3題中1題選択、試験時間120分。

 

 

◎受験動機

2年前、情報セキュリティスペシャリスト試験に合格した後、次はデータベースかネットワークか、あるいはプロジェクトマネージャどれか取りたいな~~くらいに漠然と思って過ごしていたら、気付いたら今回10月で午前1試験免除特権の失効危機に瀕してしまいました。

座して失効を待つわけにも行かず、追い込まれてやっと「何か受けよう」と思ったものの時は秋試験を目前とした8月。

想定していた試験区分において、秋試験の対象はネットワークスペシャリストだけでした。

 

しかし業務でもあまり縁のないネットワーク関連の出題範囲は広く深く、必要な知識量も非常に多い。

多大な労力、大変な困難を伴う上に合格する確証が全くありません。

やばい。

 

そこで白羽の矢が立ったのが、システムアーキテクト試験でした。

 

システム開発の上流工程に関わる出題内容は、調査したところ知識量を問われるというよりも文章を読解して求められる日本語を記述・論述する、いわば文系学問的な国語力が大いに役立つ方向性である事がわかりました。

文章を書くのは得意です。

 

これぞ天啓と思い、斯くして全くノーマークだったシステムアーキテクトを受験する次第となりました。

 

 

◎試験対策

 ・午前1

免除

 

・午前2

過去問4年分、全100問を覚えました。

合計3時間くらい。

不十分だったと思います。あまりやる気が起こりませんでした。

本来ならば過去9年分全て確実に覚え、手堅くしておくべきです。

(おかげであと3問落としたら不合格という瀬戸際の点数でした)

 

 

 ・午後1

過去問を2題解きました。

合計3時間くらい。

不十分です。本当にやる気が起きず、2題解いてこんな感じなのねと感覚を掴んだだけでそれ以上勉強しませんでした。

 

この午後1こそ国語力的な文章題の最たる例で、本当に、ただ問題に書かれている内容を読解して求められる答えを書くだけです。

試験を受けようと思う程度の最低限のシステム開発に関する知識があれば文章は理解できますし、それをしっかりと読み取って出題の意図さえ掴めれば、答えは当然のように導き出されてくるものだと感じました。

抽象的ですいません。

その訓練という意味で、過去問を解きまくって感覚を掴むのは大切だよねと後から思いました。

 

 

・午後2

問題を3題ほど読みました。

実際の論文は一度も書いていません。

休みの日に120分もの時間を集中して費やす程のやる気はありませんでした。

ただし問題をよく読んで、実際の試験で何をどう書いたら良いのかという想定だけは考えておきました。

プロットをまとめたりして。

合計でもせいぜい2時間程度。

 

 

 ◎試験本番

・午前1

免除

 

・午前2

ギリギリ5分前に着いてしまう。

しかも教室を間違える。

ご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。

 

本年の問題は物珍しい様相を呈していたようで、確かに解きながら「見たことない問題多いな」と思いながらやってました。

危ないところでしたが、まぁ6割はギリギリ行けてたかなという感触(本当にギリギリだった)。

 

 

・午後1

何の障壁もなく、ごく自然に解けたと思います。

問題をよく読んで求められる答えを書くだけの簡単なお仕事。

 

 

・午後2

初めての論述がいきなり本番でした。

皆さんおっしゃる通り120分集中して約3,000字の論述に肩はバキバキ、指は吊りそうな有り様です。

 

今回、とても良問でした。

「パッケージ導入」に関する題があって、自身の経験上ドンピシャの業務だったので迷わず選択。

 

あとは求められる内容、すなわち①②③各問題文の要旨に沿って、考えられる答えをいかにもそれっぽく具体的に書き連ねていきました。

具体的に自身が経験した業務を素直に書く事を意識しました。

論述の具体性が採点基準に含まれるためです。

 

結果として、SEとして3年程度の大した事は全然していない経験に見合った、内容としては実に大した事していない(テーブル定義を変更したとか列名を変更したとか、本当にそれでいいの!?というくらい些末な)内容となりましたが、それでも論旨が問題に合っていればチャンスがあるはずと頑張って書きました。

最後までしっかりと書き終える事が大切です。

 

妄想を膨らませて有りもしない経験を壮大にでっち上げる手法もあるかと存じますが、いかにしょぼい中身でも実際に経験した、地に足ついた内容に徹した事が今回功を奏したのでないかと思います。

 

 

◎まとめ

総じて事前にやる気が無かったので、合計勉強時間は多く見ても8時間程度です。

それでも一発合格する事が出来ました。

ネットワークスペシャリストでは絶対に不可能な勉強時間だったと思います。

システムアーキテクトには、夢がある。

あまり参考になる記事では無かったと思いますが、このように杜撰な対策でも合格する事があるのだなぁという一例に思って頂けたらと思います。

 大丈夫!