三十六計逃げるに如かず

 

朝5時過ぎ頃に幼児のオムツを替えた。

二度寝後7:52起床、朝食はシュガートースト。

出勤、仕事9:00~18:00。

昼食はスープ春雨(シーフード味)。

 

 

【ゲーム】

■キングダムセブンフラッグス

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リミテッドガシャ★6特効武将「馮忌-怜悧なる戦術-」単発引き強にて獲得。

77回引けば確定する仕様だが、たぶん8回くらいで来たラッキー。

 

趙国将軍で「頭脳の馮忌」の異名を持つ智将。

たぶん読者の多くは記憶から抜け落ちているだろう序盤に噛ませ犬的ポジションで退場するモブ武将だから。

しかし趙国激渋おじさん将軍の面々の例に漏れず、馮忌もまた活躍の不遇に対して良いキャラ設定を有する味わい深き激渋おじさん将軍の一角だ。

特に智略に長け冷静沈着に兵を動かす実力は確かで、劇中では当時百人将に過ぎなかった李信将軍の個の武を頼みに必死に突撃するブチ戦術に対し、やっとこさ分厚い兵力を乗り越えて将の首討たんと血泥まみれでやって来た李信将軍に対し、何の御挨拶もなく淡々と逃げた。

将として危険を冒す必要など無く「三十六計逃げるに如かず」とはよく言ったもので『孫子』兵法でも不利なら逃げる事の重大さ説かれるが、馮忌将軍は冷静に逃げた、素晴らしい戦略眼だ。

少年漫画主人公王道を征く逆境ワンチャンスに賭ける信にとって、実に厄介なタイプの相手で苦戦した印象が強い。

 

『兵法三十六計』とは南朝時代の宋国・檀道済将軍の著書で、題名通り六系統三十六種の兵法戦術を説いたもの。

孫子』『呉子』等の兵法書と比して構成が甘く名文とは言い難いとの評価が一般的だが、故事教訓を引いた読みやすい内容で民間においても幅広く流用される。

一篇一篇中国戦史に纏わる戦術譚は読んでて結構面白い、家の本棚に守屋洋先生訳の三笠書房版を所蔵している。

この兵書の最後の一計が「走為上」すなわち「走ぐるを上と為す」、万策尽きた時は逃げるが最善との意だ。

 

これは非常に大切な事で、戦史上にも"逃げ"の一手が絶大な武功に繋がる例は枚挙に暇がない。

例せば織田弾正忠信長、足利将軍を擁して上洛し天下覇権に足掛かりを得るが戦国最強の戦略家・武田法性院信玄と対立する。

信玄の軍略は神懸かり、ついには三好三大天・松永弾正、石山本願寺雑賀衆、近江浅井越前朝倉、摂津河内の諸大名と足利将軍にまで背かれ四方八方敵だらけ、織田家は最大の窮地に陥った(いわゆる信長包囲網)。

そして不動大山いよいよ動く、甲斐武田騎馬軍団最大兵力が上洛行軍を開始。

同盟者・三河の徳川次郎三郎家康は三方ヶ原にてブチ破られ脱糞の始末にて、ついに信長の本拠・岐阜に武田の牙が向こうという時、信長は本拠を捨てて、逃げた!

武田には敵わぬと見るや無謀な決戦は避け、畿内に逃亡した信長の戦略眼たるや見事だ(結果的に信玄が急死して危地を脱した信長は一転攻勢、包囲網の綻びを逃さず半年のうちに浅井朝倉をブチ滅ぼしたというから凄い)。

唐土にも項羽と劉邦、たびたび戦い項羽が百勝せむ劉邦は敗けて逃げ回り、だが最後には劉邦が勝った由しきりに説かれるし、幕末維新期の元勲・長州藩桂小五郎木戸孝允)は「逃げの小五郎」、三国魏の徐晃将軍も関羽との襄樊戦不利な段階では戦闘を避け機を得るや一気に攻めた(王欣太蒼天航路』で「不敗の徐晃」として描かれ、袁紹の大軍勢を前に堂々「逃げる時はこれに限るぜ」と全裸姿で騎馬疾走する姿がとても印象的だった)。

 

 

 

それとずっと保留していたストーリーモード第36章その4、超絶鬼強い廉頗将軍がブチ暴れる猛攻を5分間逃げ続けるというミッション(倒す事もゲーム上不可能でないかもだが超絶HP量鉄壁防御力無尽蔵回復力で実質無理)で通常戦力ではとてもクリア不能な諸ゲームによくある難関のやつ、クリアした。

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攻略メンバーはこちら。

普段使わない面々揃うが玄峰・向・呉慶は必殺技、李牧は大将技能で敵軍攻撃封印&半減をもたらし、王翦将軍は無尽蔵の体力で粘る。

長い長い5分間だが各キャラの特徴技能駆使して難関戦闘をクリアせむ、スマホゲームといえ脳死ゴリラプレイングでなくこのように知恵を用いて勝てると楽しいね。

 

また何度も説くが、やられ役だった趙国の激渋いおっさん将軍たちが鬼神化等して大暴れせむゲーム世界は熱い、激渋。
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大将代理・趙荘、中国十弓・魏加、万能の公孫龍、頭脳の馮忌。

 

ところで馮姓といえば一番に名が挙がるのは中国戦国時代の四君が一角・孟嘗君(斉王族田氏、諱は文、鶏鳴狗盗の故事等で有名)の食客、馮驩(ふうかん)であろうか。

 

馮驩、司馬遷史記孟嘗君列伝や劉向『戦国策』に描かれる不世出の知恵者あるいは舌先三寸口先の魔術師。

一芸に秀でた者は誰でも迎えると公言し三千人の食客を抱える孟嘗君のもとへ、噂を聞きつけた馮驩がやって来た。

「先生の特技は何でございますか」と問われ、馮驩は「特にない」と言い放つ。

さてもさても、と食客の身分に養われた馮驩であったが何の働きも無くタダメシ喰らい。

さらには「帰ろうか、帰ろうか。食事に魚が出ないから」(食客にもランクがあったみたいで魚は一定以上の実力者でないと提供されない)と歌って、周囲の者は呆れるもののさすが孟嘗君、「失礼いたしました」と魚を出した。

これに飽き足らず「帰ろうか、帰ろうか。散策しようにも馬車が無い」と歌って、何の手柄も無く馬車なんて、と皆呆れ果てるが孟嘗君は「失礼いたしました」と馬車を贈った。

「帰ろうか、帰ろうか。邸宅も無いし妻も居ないし」と歌って、居候の身で厚顔無恥も甚だに過ぎるとさすがの孟嘗君も閉口した。

 

さて孟嘗君、ある邑(むら)の徴税が滞っており「誰か税金を回収して来れる者はいないか」と募ったが、食客誰も手を挙げない。

仕方ないからタダメシ喰らいで手柄の無い馮驩に白羽の矢が立つ。

「この件、先生にお願い出来ますでしょうか」とあまり期待せず依頼すると「わかりました」とあっさり承認、こうして馮驩は邑へ向かった。

 

その後しばらく、馮驩は戻って来た。

手ぶらである。

「税金はどこですか?」

「税金はもうありません」

「どういう事ですか?」

「かろうじて回収出来たお金は、全額料理や酒に使って村人に宴会をさせました。

貧しくて借金返済が困難な者については、帳消しにすると言って証書を焼き払いました。

これ全て孟嘗君の御慈悲であると、盛大に吹聴して参りました」

孟嘗君、ブチギレた!

しかし馮驩はケロリとしている。

「金の少ない者から取り立ててもいくらの金にもなりません。

それより税を免除して恩恵を民に施し、金の代わりに主君の名誉を高めて参ったのです。

いけなかったでしょうか?」

なるほどね、さすが孟嘗君はなるほどねと納得し馮驩に御礼申し上げたというのだから立派な人物だ。

 

のち政敵の陰謀で宰相の座を追われ、失意のドン底にて所領へ帰国した孟嘗君

三千人いた食客も皆離れて行ってしまったが、馮驩一人だけ残ったという。

そして邑を通ると、民草はかつての恩を忘れず孟嘗君を慕って、盛大に出迎え大いに慰めてくれた。

その後の馮驩「狡兎三窟」はじめ相変わらずの舌先三寸口先の魔術にて王を説得し孟嘗君復権を輔け、再び天下に雄飛せしむ展開は『戦国策』に詳しい。

 

 

 

 

【読書】

 南方熊楠『十二支考』

「鼠に関する民俗と信念」

 

 

 

【模型製作】

呂不韋アルヴァアロン製作中。

昨日雨で湿気があり進捗遅れる。

GNタニシの量産にも手間取っており完成は来週以降になりそう。

 

 

【酒】

麒麟 一番搾り

 

 

 

帰宅後、幼児に手を振ったら振り返してくれる遊びをした。

お布団にモフッと落とすと、満面の笑みを浮かべる。

癒される〜〜!

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夕食は白米と野菜炒めとフカヒレスープ。

鬼滅の刃アニメを見た。

 

お風呂上がり後、幼児は眠り妻も日中の育児大変疲れて早めに就寝している。

いざや実績を解放せんと、ガンプラ製作に励みつつビール一杯だけ飲んで太田牛一信長公記』読んでから寝る予定。

 

 

 終わり