SDガンダム三国創傑伝 演者考察
「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環として発表された「三国志演義」をモチーフとするSDガンダムシリーズ『三国創傑伝』。
サンライズおよびBANDAI SPIRITSによるコミック・アニメーション・ガンプラのメディアミックスコンテンツが2019年3月下旬より香港、台湾、韓国をはじめ世界14以上の国と地域で展開されている。
日本国内においては、お台場のガンダムベース東京での特別販売という形でガンプラキットが入手出来る(※2019年12月現在、三国創傑伝キットが販売されているのは東京と福岡のガンダムベースのみ)。
「三国志演義」と「SDガンダム」との夢のコラボレーション企画は、「BB戦士」20周年記念作品として2007年より展開された『BB戦士三国伝』が先駆けであるが、今回『SDガンダムワールド 三国創傑伝』では設定を一新し全く新たなシリーズとしてストーリー・配役が展開されている。
創傑伝では、旧三国伝と同様に「三国志演義」の登場人物の名を冠するモビルスーツが各キャラクターとして配役される(劉備ユニコーンガンダム、呂布シナンジュなど)。
(※三国伝では登場人物に対するモビルスーツの配役を「演者」と表現した。創傑伝では今の所「演者」という呼称は無いが、本項では便宜上こちらでも「演者」と称する。)
本項では、現在発表されている創傑伝の演者配役を考察・分析して傾向や法則性、演者選定の基準と目される諸要素について整理し、それを受けて今後新たなキャラクターが追加され得るとすればどのような展開が予想されるか、といった所まで勝手に妄想を膨らませて楽しんで参りたい。
お付き合い頂けたら幸いに思います、どうぞよろしくお願い致します。
■三国創傑伝 演者考察
1.勢力別現状分析
各勢力毎の演者配役について、現在発表されているキャラクターを整理し考察・所感を述べる。
【蜀】(ショク・エリア)
●武将一覧(ドラゴンズ・ウォッチ)
『機動戦士ガンダムUC』ユニコーンガンダム(※2019年3月発売)
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』νガンダム(※2019年3月発売)
『機動武闘伝Gガンダム』ゴッドガンダム(※2019年3月発売)
『機動戦士ガンダム00』ダブルオーガンダム(※2019年5月発売)
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ガンダムバルバトス(※2019年6月発売)
『機動戦士ガンダム00』ガンダムデュナメス(※2019年7月発売)
『機動戦士ガンダムSEED』フリーダムガンダム(※2019年9月発売)
計7機。
・ハロ
『機動戦士ガンダム』ハロ(※2019年7月発売)
・部隊兵
『機動戦士ガンダムUC』ジェスタ(※2019年11月発売)
【傾向】
①主人公機
蜀の武将は、各ガンダムシリーズの主人公機を中心に展開されている。
【該当】
特筆すべきは『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』といった、旧三国伝でキット化されていない近年の人気作品ガンダムタイプが軒を連ねる事だ。
堂々の主人公ぷり、お台場に立つユニコーンガンダム像に象徴されるようガンダムシリーズ屈指の人気作品となった『機動戦士ガンダムUC』の強勢を感じさせる。
蜀軍の部隊兵が同作品よりジェスタという配役からも『機動戦士ガンダムUC』をショク・エリアの顔とする設定が伺える。
また後述のライバル機である呂布シナンジュとの関連は、三国志前半ストーリーにおける劉備vs呂布、徐州攻防戦の敵対共闘を繰り返す関係性にもマッチしている。
こちらは重要キャラクターである劉備の義弟・関羽をして宇宙世紀シリーズの集大成的アムロ・レイ最後の乗機νガンダムに演者を配する所また王道に感じられる。
νガンダムはやはりめちゃくちゃカッコいいし近年もRG化はじめ手堅く評価されてるから、わかる。
直情熱血の張飛キャラとドモン・カッシュのゴッドガンダムを組み合わせたという所か。
『機動武闘伝Gガンダム』の世界観は、後述する張角デビルガンダムという序盤ストーリーの重要敵キャラクターそしてBUG兵という黄化ウイルス感染者のモチーフがデスアーミーである事から、創傑伝という作品全体に大きく関わってくる所でもある。
三国伝にて配役が届かなかった『機動戦士ガンダム00』から参戦、こちらもかなり王道感がある。
ガンプラキットは箱がでかい、バイク付きという気合いの入れっぷりだ。
後述の黄忠デュナメスガンダムが同作品から並んで来たのは特徴的。
こちらはビルドシリーズを除くガンダム作品において、最新作と位置付けられる『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より参戦、世界観の拡張という点で選出された事自体に大きな意義が感じられる。
創傑伝において各勢力にまたがる『機動戦士ガンダムSEED』枠からの堂々主人公参戦。
後述の司馬懿デスティニーガンダムとの対立構図が最も大きな印象か。
以上、蜀武将の主人公ガンダムタイプ配役については、演者モビルスーツの特徴と三国志人物の特徴をリンクさせるような意図はほとんど感じられない。
やはり商品化という都合、売れるキットを製作する必要から人気作品ガンダムタイプを選りすぐって主人公・劉備の蜀勢力に配置したという印象を受ける(それについての賛否・良し悪しはここでは問わない)。
よって皆さん主人公感がありデザインはめちゃくちゃカッコいい。
そのような都合から、モビルスーツの参戦作品はバラバラとなっている。
②黄忠デュナメス
主人公機が軒を連ねる蜀軍において、黄忠デュナメスだけ唯一主人公機でない。
趙雲ダブルオーガンダムとの登場作品『機動戦士ガンダム00』および所属勢力(ガンダムマイスター)という共通項は見出される。
一方で、この配役の最大の理由となったのは弓矢の名手・黄忠と、狙撃の名手ロックオン・ストラトスの関連性ではないだろうか。
「狙い撃つぜ!」
武将と演者との共通項を配役の理由に据えた、創傑伝中では稀有な例であるのかもしれない。
【魏】(ギ・エリア)
●武将一覧(ブルーウィングコーポレーション)
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』ウイングガンダムゼロEW(※2019年4月発売)
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』アルトロンガンダムEW(※2019年7月発売)
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』トールギスⅢ(※2019年7月発売)
『新機動戦記ガンダムW』トールギス(※2019年8月発売)
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』サザビー(※2019年9月発売)
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』デスティニーガンダム(※2019年10月発売)
・荀彧ストライクノワール
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』ストライクノワール(※2019年10月発売)
『機動武闘伝Gガンダム』マスターガンダム(※2019年11月発売)
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』ガンダムデスサイズEW(※2019年11月発売)
・許褚ボルトガンダム
『機動武闘伝Gガンダム』ボルトガンダム(※未キット化・2019年12月現在)
計10機。
・部隊兵
『新機動戦記ガンダムW』リーオー(※2019年11月発売)
●登場作品枠
【傾向】
①『新機動戦記ガンダムW』
魏の武将について、曹操ウイングガンダムをはじめ『新機動戦記ガンダムW』枠から演者を配するキャラクターが半数を占める。
【該当】
流麗・荘厳なフォルムで圧倒的人気を誇るEndless Waltz版のウイングガンダムゼロ。
曹操の演者をそちらに設定した事が本傾向の起点と考えられる。
旧三国伝でも魏軍陣営には曹操ガンダム(ガンダムダブルエックス)はじめ『機動新世紀ガンダムX』から演者を配する一群があった。
三国伝において『新機動戦記ガンダムW』の上記ガンダムタイプが一切参戦していなかったという事情も挙げられる。
まさかの良い所を突く配役に、往年のファンは歓喜した(はず)!
魏の五将軍にも数えられる熟練の名将・張郃に、独自のカラーリングとデザインで確固たる人気を誇るアルトロンガンダムEW。
両者の共通項といえばパイロットの張五飛(チャン・ウーフェイ)が同じ張姓くらいな事しか思い当たらないが、ともかくウイングガンダムゼロEWとアルトロンガンダムEW、後述のトールギスⅢとEndless Waltz勢が並んでSDキット化した偉業には心から感謝の意を表したい。
三国伝では呂布トールギスという圧倒的存在を誇る強キャラが居たが、創傑伝では夏侯惇としてEW版のトールギスⅢが配役された。
隻眼設定はフェイスマスクから覗かせる片目のキャラデザに面影が残る。
Endless Waltz版でなくTV放映版の『新機動戦記ガンダムW』からもトールギスが原型を維持して参戦、こちらは上記夏侯惇の弟という設定で夏侯淵が配役。
最高!!!
言わずもがなウイングガンダムゼロEWに並ぶ大人気厨二病的死神ガンダムを演者に、魏の五将軍として名高い徐晃将軍が参戦した。
魏軍の部隊兵はリーオーが演者とされ、曹操ウイングガンダムを筆頭に『新機動戦記ガンダムW』の登場モビルスーツが主軸となる印象は間違いない。
②ライバル機
また魏の武将について、前述の蜀軍の演者に対するライバル機が設定される一群がある。
【該当】
赤い装甲に金と水色の縁取りが凄くカッコいいが、デザインに比してガンプラキットの成形パーツ色分けが追い付いておらず、再現しようと思うと細部に至るまで地獄の塗り分け作業を強いられる。
またモノアイマスク装甲の下にはガンダムフェイスが仕込まれており、サザビーなのになぜガンダム顔…?かと言うと近年の福井晴敏『機動戦士ムーンガンダム』にてサザビーのプロトタイプ的系譜としてバルギルおよびムーンガンダムがガンダム顔である事の反映かと思われる。
元呂布軍所属の張遼であり、呂布シナンジュとの演者の関連も想起される。
デザインがめちゃくちゃカッコいい。
文官スタイルの冠が見事に落とし込まれており完成度高く、またバイクが付属してるわけでもないのに他キットに比べて箱がでかいという気合いの入りよう。
また創傑伝作中では董卓プロヴィデンスガンダムの部下となっており、演者の関係性が指摘出来る。
とはいえ、なんで典韋がマスターガンダム…?との疑念は中々払拭出来ないだろう。
それだけ東方不敗マスター・アジアの傑物イメージが偉大であるという証左だ。
以上の蜀勢力とのライバル機関係は、魏軍の他に後述の董卓軍勢力にも見受けられる傾向である。
③その他
上記①、②の群に当てはまらないキャラが二機存在する。
【該当】
・荀彧ストライクノワール
・許褚ボルトガンダム
■荀彧ストライクノワール
演者について見出せる他キャラとの関連でいえば、司馬懿デスティニーガンダムと『機動戦士ガンダムSEED』世界を同じくする軍師繋がりという事くらいか。
諸葛亮フリーダムガンダムも軍師だが、後述する呉軍の武将・女性もSEED枠から参戦しているため安易に「軍師はSEED」とも言えず、考察が難しい立ち位置の荀彧ストライクノワールだ。
単にストライクノワールが人気でカッコいいので是非商品化候補に挙がって、黒いから敵側の魏で!くらいなノリかもしれない。
また今後の展開予想にも関連するが、荀彧の早々なキット化は非常に大きな意義を持つ。
「三国志演義」の主要キャラクターが旧三国伝で製品化されたが、そのメインストリームから少し外れる(比較的)マイナーキャラの扱いとして、荀彧ガンダムは「外伝」キット化(過去SDキットの流用)された枠であったからだ(他にも許褚、于禁、楽進、等々)。
そんな外伝キャラだった荀彧が颯爽と創傑伝のメインキャラに昇格したものだから、今後創傑伝で新たな武将が追加され得るとした時、かつて三国伝外伝で苦汁を嘗めた面々にもチャンスがあるという前例を荀彧が確立した事になる。
■許褚ボルトガンダム
2019年12月現在未キット化。
演者繋がりとしては典韋マスターガンダムとの『機動武闘伝Gガンダム』枠が挙げられる。
前述の荀彧と同様、旧三国伝での許褚は外伝キットだった。
【呉】(ゴ・エリア)
●武将一覧(レッドタイガー)
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』ガンダムアストレイ ゴールドフレーム天ミナ(※2019年4月発売)
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』ガンダムアストレイ レッドフレーム(※2019年6月発売)
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』ガンダムアストレイ ブルーフレーム(※2019年8月発売)
『機動戦士ガンダムSEED』デュエルガンダム(※2019年8月発売)
『機動戦士ガンダムSEED』ストライクルージュ(※2019年9月発売)
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』アカツキ(※2019年10月発売)
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』クロスボーン・ガンダムX1(※2019年12月発売)
『機動戦士ガンダム00P』ガンダムアルテミー(※2019年12月発売)
『機動戦士ガンダム00』GNアーチャー(※2019年12月発売)
計9機。
・部隊兵
『機動戦士ガンダムSEED』105ダガー(※2019年11月発売)
●登場作品枠
【傾向】
①『機動戦士ガンダムSEED』
呉の武将は、孫家三代はじめ『機動戦士ガンダムSEED』(外伝含む)のコズミック・イラ世界からモビルスーツを演者に据える傾向が主軸にある。
【該当】
演者はゴールドフレーム天ミナ。
演者はブルーフレーム。
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』はアニメ本編の外伝にあたる漫画作品を中心に展開されてきたが、登場モビルスーツの多彩なバリエーションは各種コンテンツに進出してファンに愛され今や不動の人気を誇る。
演者はレッドフレーム。
ところで2019年12月現在、劉備ユニコーンガンダムと曹操ウイングガンダムのパワーアップキット化が発表されているが、呉軍総大将についてはまだ無い。
孫権アストレイについて、レッドフレームといえばまだまだ多くのパワーアップ形態が控えているものだから楽しみだね。
SEED枠初期のガンダムタイプ5機のうち1機。
と来ればイージス・ブリッツ・バスターらにも期待が膨らむ所(詳細は後述)。
孫家の末娘はSEED枠女性機体の代名詞的ストライクルージュが演者。
呉軍演者の流れとしてはぴったり当てはまっているように感じられる。
武器が真・三國無双。
旧三国伝でも周瑜ヒャクシキで金ぴかだったけど、今作創傑伝でも金ぴか。
譲れない信念を感じる。
部隊兵も105ダガー(ストライクダガー)が演者であり、呉軍の主軸は明確にコズミック・イラ世界で展開される模様。
大喬と小喬の姉妹が参戦、共に『機動戦士ガンダム00』枠よりGNアーチャーの系譜を演者を配する(キットはコンパチブル仕様)。
【該当】
『電撃ホビーマガジン』にて連載された公式外伝『機動戦士ガンダム00P』より、蜂のようなお尻が特徴的なガンダムアルテミーを演者に据える。
作品としては意外な所から登場の印象だが、下記の妹・小喬の演者であるGNアーチャーと開発系譜を同じくする設定から、合わせて持ってきたものと考えられる。
?????「このGアルテミー凄いよォ!さすがGNアーチャーのお姉さん!」
他モビルスーツより一回り細い女性的フォルムのGNアーチャーが演者。
上述のガンダムアルテミーの素体を改修して開発されたという設定から、姉妹繋がりとして創傑伝では採用されている。
③海賊と呼ばれた男
【該当】
明らかに異質だ、浮いてる。
『機動戦士ガンダムSEED』枠に溢れる呉軍において唯一の宇宙世紀シリーズから参戦の甘寧クロスボーン・ガンダム。
呉将・甘寧が元水賊出身の豪傑という逸話と、宇宙海賊のクロスボーン・ガンダムとの関連から配役されたものと考えられる。
黄忠デュナメスの「狙い撃つぜ!」繋がりと同じく、武将と演者の共通項を配役の理由に据えた貴重な一例か。
【董】(ラクヨウ)
●武将一覧
『機動戦士ガンダムSEED』プロヴィデンスガンダム(※2019年4月発売)
『機動戦士ガンダムUC』シナンジュ(※2019年5月発売)
『機動戦士ガンダムUC』クシャトリヤ(※2019年5月発売)
計3機。
・部隊兵
『機動戦士ガンダムSEED』ジン(※2019年11月発売)
【傾向】
①ライバル機
まず呂布シナンジュだが、明確に劉備ユニコーンガンダムのライバルとして配役されている。
呂布とシナンジュの共通項といえばめちゃくちゃ強い事と、赤兎馬が赤いところか。
貂蝉クシャトリヤは言わずもがな呂布シナンジュとの関連が想起される。
董卓プロヴィデンスガンダムはひと際存在感を放つが、ライバル関係でいえば諸葛亮フリーダムガンダムとなるがちょっとずれるので難しいところ。
そこまで考慮せずTHE・悪役として堂々降臨せしめた感じか。。
前述の司馬懿デスティニーガンダムは同じコズミック・イラ世界のザフト軍として繋がりがあり、創傑伝作中では上司と部下との設定がある。
部隊兵の演者はザフト軍のジン、董卓プロヴィデンスの率いる軍と印象付ける。
【他】
●武将一覧
・袁紹レッドウォーリア
『プラモ狂四郎』レッドウォーリア(※未キット化・2019年12月現在)
『機動武闘伝Gガンダム』デビルガンダム/シャイニングガンダム(※未キット化・2019年12月現在)
計2機。
・BUG兵
『機動武闘伝Gガンダム』デスアーミー(※2019年11月発売)
2019年12月現在いずれも未キット化の二機。
海外展開されるコミック作品において先行してキャラデザを確認出来る。
■袁紹レッドウォーリア
ガンダムビルドシリーズの先駆け的意義を有する昭和の名作『プラモ狂四郎』よりパーフェクトガンダム3号機、レッドウォーリアを演者に据える。
近年『ガンダムビルドファイターズトライ』でも三代目メイジン・カワグチが駆る「ガンダムアメイジングレッドウォーリア」が登場して印象的、各グレードでの新キット化もされて有名だ。
曹操のライバル的存在、ブルーウィングコーポーレーションに対するレッドかな?
まだ謎が多くよくわからないが、演者参戦枠として『プラモ狂四郎』だってアリなんだぜ!と画期的前例を示してくれた。
創傑伝ストーリーの序盤、黄化ウィルスと呼ばれる謎のウィルスが蔓延し、感染した者は自我を失いBUGとなる、との設定があるがこのBUG兵はデスアーミーが演者で、さながらデビルガンダム細胞の様相を呈す。
その元凶として堂々たる敵ボスキャラ枠に張角デビルガンダムが君臨するのは極めて自然だ。
こちら『機動武闘伝Gガンダム』世界観の恩恵で張飛ゴッドガンダム、典韋マスターガンダム、ひいては許褚ボルトガンダムといった演者が採用されている感じもする。
ちなみに作中、諸葛亮フリーダムガンダムの回想での張角は純白のシャイニングガンダムの姿をしていたが、再登場時にはデビルガンダム状のゴツいモビルアーマー的乗機のコアユニットにすっぽり収まっている様子が見受けられる。
2.類別
上記1.で網羅した各キャラクターの演者モビルスーツについて、傾向・特徴を整理した。
①登場作品
1位:『機動戦士ガンダムSEED』…10機
2位:『新機動戦記ガンダムW』…5機
3位:『機動武闘伝Gガンダム』…4機
3位:『機動戦士ガンダム00』…4機
5位:『機動戦士ガンダムUC』…3機
6位:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』…1機
7位:『機動戦士クロスボーン・ガンダム』…1機
7位:『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』…1機
7位:『プラモ狂四郎』…1機
かなり偏りがある事がわかる。
また参戦作品も存外少ない。
②モビルスーツ系統
ガンダムタイプ…25機
ジオン系…3機
その他…3機
圧倒的ガンダム率!
③ポジション
主人公機…10機
味方機(主人公以外)…11機
敵機…10機
意外とバランス良く選出されている。
3.今後の展開予想
2019年12月現在、創傑伝ガンプラキットは31作品が発売・発売予定とされている。
海外展開のコミック・アニメーションも続々と公開されている模様だ。
ここでは主にガンプラキットについて、上述1.と2.の分析を基に今後の展開予想を述べて参りたい(個人の妄想です)。
■概要
現状、創傑伝のストーリーは「三国志演義」でいう黄巾の乱、董卓の専横という序盤の展開に沿っており、キット化されるキャラクター達も三国志序盤に活躍した人物が中心である。
今後、創傑伝の商業的成果が軌道に乗ってさらなるシナリオ・ワールド拡大の方針で製作が決定されてゆけば、キャラクター群も増加してゆく事になるだろうと希望を抱いている。
一方で2019年12月現在、3月以来毎月3体近くの新キャラがキット化新発売され猛スピードで商品化されたものだが、ここに来て現段階で入って来る限りの情報では2020年予定、曹操ウイングガンダムの強化決戦形態、劉備ユニコーンガンダム、張飛ゴッドガンダムの強化決戦形態が発売される見通しである。
決戦形態、早くない??
30体も出たからそんな事ないかな?
既存キャラの決戦形態という展開には、続々新キャラ登場のペースに一旦打ち止めの感が伺われて一抹の不安がある。
現状の製作段階でデザインされたキャラクターは全て出し尽くした、と予想出来るかもしれない。
今後の新キャラは未定、あるいは案の段階か、現在鋭意製作中か、ともかく一区切りを感じさせる今日この頃である。
それは製作サイドにしかわからない事だから、うだうだ考えても結局わからない事だ。
我々が楽しめる妄想とは、創傑伝(第一期とでも称すべき)の商業的成果が好評であり、製作側が(続編ならぬ)新たな展開を決定!として来年3月以降にまた新たなキャラクター商品が発売されると仮定した場合、どんな「三国志演義」の人物が、どんな演者モビルスーツで配役されるかな、という所だろう。
以上のような前提で、次項より新キャラ予想を述べて参りたい。
■演者モビルスーツの関連性からの予想
【蜀】(ショク・エリア)
上述「1.現状分析」で挙げたポイントは、
①主人公機
②黄忠デュナメスの存在感
の2点。
①については、バルバトスの例もあるように主人公機だけの単独参戦という事も鑑みれば範疇は非常に広範に渡る。
候補としてパッと挙げられるとすれば下記とか?
・ガンダムAGE1〜FX
・フルアーマーガンダム(サンダーボルト)
正直全くイメージ付かない、主人公機揃いで出してくるなら既に出てないと違和感あり、別に主人公機体縛りにする必然性もないし、この傾向は今後新武将でも継承されるかどうかはわからないね。
それでも現在劇場版絶賛上映中のG-セルフや、来年劇場公開予定の盛り上がりを見せるΞガンダムには白羽の矢が立つ可能性なきにしもあらず。
②について、主人公機軒並み揃う蜀軍で黄忠デュナメスの存在は特徴的、との話。
この存在を『機動戦士ガンダム00』枠から他にも参戦してくる足掛かりと捉えるか、狙撃の名手繋がりという一点におけるイレギュラー配役ケースと捉えるかによって今後の蜀軍追加武将の予想が変わって来るだろう。
前者と捉えるならば呉軍でGNアーチャーが出る事もあり、下記の演者が期待される。
・ガンダムアストレア
等
【魏】(ギ・エリア)
上述「1.現状分析」で挙げたポイントは3点、
①『新機動戦記ガンダムW』
②ライバル機
である。
①について、関連する下記モビルスーツが今後の新キャラ演者候補と目され得る。
・ガンダムヘビーアームズEW
・トールギスⅡ
・ガンダムエピオン
等
■ヘビーアームズとサンドロック
アルトロンとデスサイズが参戦している事から最有力候補か。
ただし一般的にアルトロン・デスサイズのわかりやすいカッコ良さ人気度に比べると若干渋いのかなとの印象もあり。
張郃アルトロン、徐晃デスサイズと来た傾向から、三国志登場人物的には魏の五将軍の残二人・楽進と于禁を配役すればW枠のガンダムチームにすっぽり収まるという見解もある。
ただし楽進と于禁は旧三国伝における外伝キャラに位置し、魏軍武将としては郭嘉や曹丕など有名どころも残るのが懸念。
一方で前述のよう、荀彧が参戦したので外伝キャラにも十分可能性はあると信じたい。
■トールギスⅡ
ランナーパーツ流用による開発コスト削減は非常に有用であろう事は過去のガンプラキット展開からも察して余りあるところ、トールギスⅡもその点優位性がある。
だが夏侯姓で上記の双傑並ぶところを別の血族の武将が平然とトールギスⅡを演者に据えるのはさすがに違和感が拭えないように感じる。
夏侯一族で名を成した将と言えば夏侯覇トールギスⅡといった所か。
ただし現状創傑伝は「三国志演義」前半の人物が中心となって参戦している点、夏侯覇はかなり後期の武将に当たる為そもそもストーリーが進まないと難しそう(それと夏侯覇は後半生において蜀将)。
そもそもトールギスⅡも、こうは言ったもののトールギスとトールギスⅢに比べればスポットライトは当たらながちで、参戦にもハードルがあるよう感じる部分もあり。
■エピオン
②ライバル機について、下記。
・バンシィ
・スサノオ
等
ぴったりハマる感じは中々思い当たらないが、現状の傾向から予想するとこんな所が挙げられるか。
③その他(荀彧ストライクノワールと許褚ボルトガンダム)について、下記。
・ドラゴンガンダム
・ガンダムローズ
ストライクノワールと登場作品を同じくするスターゲイザーにも可能性は少しはあるかも。
また許褚ボルトガンダムと来れば、当然シャッフル同盟の他の面々の名も挙がってくるだろう。
むしろボルトガンダムを真っ先に持ってきたチョイスが秀逸だ。
ちなみにドラゴンガンダムは張郃アルトロンガンダムと若干イメージ被る。
【呉】(ゴ・エリア)
上述「1.現状分析」で挙げたのは3点、
①『機動戦士ガンダムSEED』
③海賊
①について、孫呉の主軸たる明確な傾向が見られ、また太史慈デュエルガンダムの存在から下記の仲間達が連想される。
全く妄想の域を出ないが、孫呉が上記ガンダム強奪シリーズで揃って来るようなら対する連合ガンダムチーム下記の演者が孫呉と敵対する魏蜀に来るような妄想も出来る。
呉ではないがSEED枠なのでついでに言及すると、諸葛亮フリーダムガンダムとの伏龍鳳雛コンビから龐統ジャスティスガンダムなんかも思い浮かぶ。
またストライクルージュ、アカツキの参戦からもSEED DESTINY枠、
以上のような演者が目白押し候補だ。
一方で司馬懿デスティニーガンダム、董卓プロヴィデンスガンダムとSEED枠は他勢力にも配置されている事から孫呉の専売特許でないという点も留意出来る。
②の大喬小喬は恐らく単発だろう、『機動戦士ガンダム00』系統で追加されるとしたら前述の蜀の項、趙雲ダブルオーガンダムと黄忠ガンダムデュナメスに並んでソレスタルビーイング機体が挙げられる。
③も単発と思われる。
クロスボーン・ガンダムX1と来れば当然、一部でカルト的人気を誇るクロスボーン・ガンダムX2の存在が思い浮かぶ。
呉軍で元水賊といえば周泰なんかもそうである。
だが残念なお知らせ「甘寧クロスボーン・ガンダム」の名が示すよう、X1と冠していない。
甘寧がX1と明記されてないのに「周泰クロスボーン・ガンダムX2」が忽然と出得るか?というとそこまで考慮されていないかもしれない。
【董】
董卓軍は現在登場する3機でまとまりがある。
ここに追加されるには名のある武将が中々思い当たらない、もちろん三国志好きにとっては董卓軍呂布軍共に人材は豊富だが、優先度として三国サイドの有名武将がまだまだ登場していないので。
【他】
まず、彼らがキット化されるのか?という大前提の問題がある。
袁紹レッドウォーリアは有り得るかもわからないけど、張角デビルガンダムはハードル高そう。
無論BUG兵の黒幕でストーリー上重要なキャラクターとなっては来るだろうが、如何せんデビルガンダムは特大キットになる(シャイニングガンダム形態だけで先行して出すという手もあるかもだけど、どうせ出すなら旧三国伝の蚩尤ガンダムばりのドデカキットでデビルガンダム形態もガツンとやって欲しい〜)。
張宝張梁兄弟なんかもまだまだ実現の壁は高そう、デビルガンダム四天王という視点もあったけど肝心のマスターガンダムが典韋になってしまったので構想は崩れた。
■登場人物の予想(旧三国伝シリーズを参考に)
旧三国伝においてガンプラキットされた登場人物のうち、創傑伝で現状キット化されていない武将を中心に挙げていく。
【魏】
・曹丕
・郭嘉
・賈詡
有力候補か。
郭嘉と賈詡は魏軍師枠、これは司馬懿デスティニーガンダムと荀彧ストライクノワールの傾向からSEED系の演者というのも有り得る。
一方で創傑伝の魏勢力において明確な『新機動戦記ガンダムW』傾向も無視出来ない。
・于禁
・楽進
旧三国伝外伝枠からは二名。
同じ外伝の荀彧と許褚は先んじて参戦を果たしている。
前述の通り張郃アルトロン、徐晃デスサイズと魏の五将軍が並ぶ事からサンドロック、ヘビーアームズと予想出来るかもしれない。
・司馬師
・司馬昭
・司馬炎
旧三国伝では登場した司馬懿の子ら。
創傑伝はまだまだ黄巾の乱・董卓の専横がシナリオの中心にあるため、当分参戦は無さそうか。
【呉】
・陸遜
・呂蒙
・黄蓋
孫呉の主要な登場人物であり、まだ参戦してないのが不思議なくらい。
陸遜はしかし若干三国志シナリオ後半のキャラでもあるので、居ないのも今後の新展開に期待という意味合いもある。
例の如くSEED枠で演者が当てられていくのだろうか。
・周泰
・丁奉
・凌統
・魯粛
外伝のキャラ四名。
周泰は上述のように元水賊繋がりでクロスボーン・ガンダムX2とか思い付く。
旧三国伝の主要キャラ。
関羽雲長νガンダムとの関連から関平リ・ガズィとか周倉ジェガンとか思い浮かぶ。
姜維は三国志シナリオ後半の蜀を背負って立つのでこれまでの創傑伝蜀軍の傾向から主人公級のガンダムタイプが相応しいような気もする、諸葛亮フリーダムガンダムの弟子という設定を活かすならSEED系も有り得るか。
外伝の面々。
馬超ガンダムバルバトスとの関連から馬岱ガンダムグシオンリベイクとか?
張苞は張飛ゴッドガンダム的にはシャイニングかと思うけど張角デビルガンダムのシャイニングガンダム形態が既にある、ならライジングか?等と思う前に張苞より先にキャラクター化優先すべき武将が山積みだね。
【董】
・胡軫
旧三国伝では胡軫ギャンがキット化した。
しかし前述の通り董卓軍の追加よりも魏呉蜀の方が優先されそう。
【他】
・袁術
旧三国伝で袁術ズサ。
袁紹バウと合体するという激熱の趣向を凝らした。
今作ではまず袁紹レッドウォーリアのキット化を待つ。
■総括
『三国創傑伝』にはまだまだ夢がある。
今後とも全力で応援させて頂きたいと思います。
雑多に色々書き殴り好き勝手語らってしまいましたが、個人の考えなので、今後は全然違う展開が待ち受けてるかもしれませんし、どうなるかわかりません、それが大変楽しみでもあります。
ここまで読んで下さりお付き合い頂いた方には心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
それと、これは方々で言われてる事かと存じますが2019年12月現在『三国創傑伝』シリーズは日本国内ではガンダムベースのみ限定販売となっているのが大変惜しまれます。
製作販売サイドにおかれましては流通等諸般の事情あっての御判断とお察しして余りある所ではございますが、今後も全力で応援させて頂きますので、いずれ創傑伝念願の全国展開されて三国志・SDガンダムファンの多くの皆様に広くガンプラキットがお届けされる素晴らしい世界の実現を熱望して止みません。
終わり