狡兎死して走狗烹らる
朝6:24起床、幼児はミルク飲んだ後再び寝たので遊べず、出勤、仕事9:00~18:00。
昼食はスープ春雨(スパイシーカレー味)。
【ゲーム】
■キングダムセブンフラッグス
デイリー無料7連ガチャにて★6武将万極。
『キングダム』のオリジナルキャラクターで、趙国龐煖軍の副将として登場する。
「長平の亡霊」と呼ばれるよう紀元前260年、長平の戦いで虐殺された四十万の趙兵の中の生き残りという設定。
長平の戦いは、中国戦国時代における秦国と趙国の合戦。
秦軍の大将は戦国最強の白起将軍、
対する趙の大将は親の七光り的生兵法の大家・趙括、これは詳細を省くが結論だけ言うと趙括は死ぬ。
残ったのは大将を失った四十万もの敗残兵、秦軍に糧道を断たれ継戦能力が無い趙兵達はやむなく降伏した。
だが遠征する秦軍としても四十万人を追加で養うだけの食糧は無い、しかも秦に懐かない趙兵を捕虜にしておくのも叛乱の危険があり、そこで白起は無慈悲な決断を下す。
虐殺である。
無抵抗の捕虜四十万人に深く広い穴を掘らせ、そのまま生き埋めにして処刑した。
(ちなみにこの時二百四十名の少年兵は助命し趙国へ送還した、万極はこれに相当するみたい。)
史書に二十万~四十万とされる犠牲者の数はあまりにも多すぎるので、過大に誇張されたものと考えられてきたが1995年の長平古戦場発掘調査にて同時代の大量の人骨が出土したというから、ともかく大変な虐殺であったらしい。
虐殺といえば日本のSF作家・伊藤計劃の鮮烈デビュー作品『虐殺器官』が思い浮かぶ(2017年にノイタミナムービー枠”Project Itoh”の第2弾として劇場アニメ化もされた。伊藤先生の革新的SF世界構築は新時代のSF界を牽引する傑出ぷりだったが『ハーモニー』と『屍者の帝国』の草稿を遺して癌のため34歳の若さで早逝されてしまった)。
作中、人間の潜在意識には虐殺を司る器官が発達して来たと設定され、これは太古より人類コミュニティにおいて人口増加に伴う食糧危機が発生した際、生存可能な健康優良体の個体数を残すためにマイノリティの対象個体を虐殺する事で集団を維持するという環境適応、進化の過程で獲得した智慧と位置付ける。
富野由悠季『機動戦士ガンダムF91』でカロッゾ・ロナが主張した「人類の間引き」、アドルフ・ヒトラーが信奉した優生学の思想にも通じる危うさをヒトが備える潜在的な本能と据えた強烈な設定。
いかにもSFだね。
さて白起は、この長平の決断で虐殺将軍の汚名を歴史に刻むがしかしこれが初犯では無いというか、歴戦において何度も大量虐殺をしている。
司馬遷『史記』によれば伊闕の戦いで韓・魏兵二十四万を斬首、華陽の戦いで三晋の兵十三万斬首、趙兵二万を溺殺、陘城の戦いで韓兵五万を斬首、ざっと見ただけでのべ八十四万人くらい虐殺していた。
(白起がやばい、というのもあるけど思い当たる所ではこの約半世紀後に西楚の覇王・項羽が秦兵二十万を生き埋めに処した事件もあったし、秦始皇も焚書坑儒している。)
白起は、しかし秦国の覇業にとっては傑出した武功で数々の勝利に貢献し、後の始皇帝による天下統一の礎を築いたとも評価される。
だのに出世し過ぎた為に本国で警戒され、最期は王に疑われて自害を命じられる不遇と悲運を嘆き「私は秦国に尽くしてきた。なぜ死なねばならぬ?」と天を仰ぎ、 「いや私は死ぬべきだ、何十万という人を殺してきたのだ。死ぬのは当然だ」と断じて自殺した。
司馬遷『史記』では辛口評価で比較的同情の余地は無いが、劉向撰『戦国策』では長平の虐殺について並みならぬ苦悩と決意のあった様子が描かれていて、著者撰者の評価により史実の記述は斯くも異なると面白いから併読の価値あり。
■妖怪三国志 国盗りウォーズ
国盗り戦、新セッション開始!
今回の連合は某有名同盟の皆様が主同盟に君臨され、我々は二番手。
さすがに勇名を馳せるだけあり敵地攻略クールタイムの1分1秒差の世界で勝負している熱量が圧倒的だ。
色々勉強させてもらう経験としたい。
月次ミッションコンプにて将星確定コイン、オオツノノ神鄧艾GET。
鄧艾、字は士載。
荊州義陽郡棘陽県の人。
司馬懿に才覚を見出され登用、はじめ魏の文官として農業地政に才能を発揮した。
軍人転向後は地理の知識を活かして蜀・姜維の北伐を幾度も防ぎ奮戦。
やがて将軍となり蜀漢討伐に参陣、山道からの奇襲で首都・成都を攻略し蜀主劉禅を降伏させるという天下第一の武功を上げた。
しかし軍全権を掌握し過ぎて警戒され、更にこのまま孫呉を攻めて天下平定すべしと独断専行に走った事から司馬昭に疑われ、野心を抱く鍾会に利用され叛逆罪で獄中の人に。
自らの最期を悟り、その境遇を上述の白起将軍に引いて「私は忠臣だった。白起の不遇と悲運が再現したようだ」と歎じた(孫盛『魏氏春秋』)。
「狡兎死して走狗烹らる」と言うが(『史記』越王勾践世家より。獲物の兎が死ぬと猟犬も不要となり煮て食われる。敵国が滅びれば、軍事に尽くした功臣も不要とされ誅殺される事の例え)まさにその通りで、白起、鄧艾、漢の劉邦に仕えた大元帥・韓信、洪武帝朱元璋の胡藍の獄、検非違使判官源九郎義経、太閤豊臣秀吉の軍師・黒田勘解由次官孝高(だいぶ冷遇され粛清の危機あったが剃髪隠居決死のパフォーマンスで存命)、長いナイフの夜エルンスト・レーム、枚挙に暇なし。
【読書】
南方熊楠『十二支考』
■「猴に関する伝説」
三十頁ほど進めて読了。
猿についての伝承が中国神話からインド神話諸仏典、本邦の記紀神話、古代エジプトやアフリカ神話、メソポタミア・アラビア・ギリシアローマ西欧世界の諸文献に至るまで広大無辺、無尽蔵に展開されブチ智の奔流に圧倒されると共に大変夢中になれる。
猿は世界共通で飼われる事少ない、なまじ狡猾で利己に賢しいため犬馬象ほどに忠実でなく人の畜たらしまぬのだ。
2011年映画 『猿の惑星:創世記』から連なる猿の惑星・新三部作の世界において、個人的にずっと引っ掛かってる日本語字幕・吹替の訳出上での問題が指摘される。
猿は英語でMonkey、これは学術的な定義ではオナガザル科のニホンザルやマントヒヒら旧世界猿類とオマキザル等の広鼻下目いわゆる新世界猿類に限られる。
一方、猿を指す英語としてApeという概念も有りこれは日本モンキーセンター・霊長類和名編纂ワーキンググループによると"類人猿"との訳が一般的だ。
『猿の惑星』(原題:The Planet of the Apes)とのタイトルが示す通り1968年初代から一貫して猿の惑星の世界観はチンパンジー、ゴリラ、オランウータンの三種族を中心に類人猿の世界を描く。
厳密にはApeは類人猿だが"The Planet of the Apes"を『猿の惑星』と訳した事には従来問題は無いしこれ以上の適訳は無かったと思う。
それが『猿の惑星:創世記』において、劇中チンパンジーを"Monkey"と呼んだ者に対して"He is not a Monkey, He is an Ape."と訂正するシーンが描かれた。
より下等動物的ニュアンスのモンキーとの蔑称(『ジョジョの奇妙な冒険』で人間を辞めたディオが「おまえはこのディオにとっての、モンキーなんだよジョジョォォォォーーーッ!」との台詞が象徴的)
に対し、チンパンジーの彼には高度な知性がある、モンキーじゃないエイプだよ、との意味が込められた台詞。
しかし日本語版ソフト編集時に翻訳家はこれをどう訳すかめちゃくちゃ悩んだ事だろう。
結局、日本語版で「彼は猿じゃない、類人猿だ」とそのまま訳してしまったのが悲劇の始まり、以降の作品で都度都度登場する"Ape"という原語に対し「猿」と訳す事が出来なくなってしまったのだ(前述の台詞が絶対的な縛りとなった、Apeは猿じゃないと)。
人類の静寂を前に猿の軍勢を率いる騎馬姿のシーザーが喝破した名台詞、"Apes do not want War!"も、日本語版では字幕・吹替共にあろうことか「エイプは争いを望まない!」と叫ぶ本末転倒ぷり、エイプは、エイプは、エイプは!と事あるごとにApeをエイプとそのまま訳し、非常に違和感ある日本語版になってしまった。
"The Planet of the Apes"で『猿の惑星』なのに、劇中一切"Ape"を「猿」と訳さぬ矛盾。
これは良い意味でのこだわり、というよりも悪い意味での呪縛に感じた。
違和感ゴリ押しで三部作全て訳し切ったのだから日本語版はもはや『エイプの惑星』だ。
個人的には前述の台詞に縛られず自由に「猿」と訳す勇気を持って欲しかったな〜〜(☝◞‸◟)☝
【模型製作】
孫臏ジオング製作中。
雨天のため塗装進まず。
【酒】
なんか色々冷蔵庫に冷えてる。
帰宅後、幼児と手を叩いて遊んだ。
夕食は炊き込みご飯とプリプリ小海老味噌汁と麻辣山椒香るじゃがいも炒めの絶品美味。
鬼滅の刃アニメを見た。
先程風呂上がった、公文式の漢字カードを買ったので今から妻と一緒に一枚ずつナノラミネート装甲を施す。
(幼児が舐めて破けた紙を食べてしまわぬよう。)
終わり